瞼の裏側にはいつも笑顔の神様がいる

1月, 2009 のアーカイブ

「モータースポーツの光と影」の影の部分

昨年の終わりごろ、モータースポーツ界、とりわけF-1界に衝撃が走りました。
ホンダチームF-1撤退。

やはり昨年の夏に純日本人プライベーターチームである、スーパーアグリの撤退の記事を書いた時にも触れました。
F-1には途方も無いお金がかかるという事を。
下請け会社にコストダウンを迫り、派遣切りなどのリストラを敢行。
本社がそんな状況の中で、F-1などやっていられない。
そういった事情は痛いほど良くわかるのです。

ホンダという会社でまず思い浮かべるのは、創始者である本田宗一郎氏でしょう。
彼は確固たるいくつかの信念を持って、会社を運営していたといいます。
血縁者を後継としない。
会社のトップにはエンジニア出身である事が条件。
TVCMにはタレントは使わない。
かつては自らの身分を隠し、自慢のホンダスーパーカブを乗り回し、若者相手に語っていたそうです。

「こういうのが理想的な4気筒エンジンなんだ。君たちもこういうクルマに乗らなきゃいかん。」

「こんなクルマが売っていたら、君たちならば買うか?」

そんな市場調査を自ら行っていたのでしょう。
私が免許を取った頃のホンダ車。
プレリュード ワンダーシビック クイントインテグラ バラードCR-X
そんなスポーティーでおしゃれなホンダ達。
そして深夜に放送されていたF-1中継。
今思えば、メーカー側がユーザーを育てていた・・・そんな気さえするのです。
今はと言えば、夢も希望も無いワゴンタイプのクルマのオンパレード。
ニーズにばかり気を取られ、内燃機関を使って走らせるクルマの素晴らしさを伝えようともしない。
ニッサンS13シルビア トヨタセリカXX いすゞジェミニイルムシャーターボ マツダRX-7 三菱ランサーターボ
そんなスポーティーなクルマを自慢気に乗っている若者たちって、最近見かけませんね・・・。

今朝、こんなニュースを目にしました。
「F1世界選手権から撤退し、売却先を探しているホンダF1チームが、拠点のある英国で、政府による公的資金注入の申請をする可能性が29日、浮上した。」
モータースポーツに育ててもらったホンダが、モータースポーツを切り捨てる。
かつてのホンダは「技研」でした。
挑戦する事をやめてしまった「技研」は、モータースポーツと共に私のような化石化した自動車ファンをも切り捨ててしまうのでしょう。
宗一郎氏が草葉の陰で泣いているようで、何だか辛いです。

いんふる民ちゃん

先週の金曜日の夜。
キアヌ君が発熱しまして、夜ですが病院に連れて行きました。
微熱だし元気だしメシは食ってるし、ただの風邪だろーと思いきや。
検査の結果インフル某、陽性でした。
土曜日曜にかけて、ずっと一緒に居てやりましたよ。
私が部屋を出ると泣き出すもんで・・・。
もうすぐ小学生なのですが、こんな弱虫でいいのでしょうか?

今日の朝、熱も下がりすっかり元気になった息子キアヌ。
しかしながら、おかげさまでそのまんまインフル某ウィルスの皆さんは、キアヌと一緒に過ごした私に完全移住。
身体はゾクゾク、頭痛、喉が痛い、背中がかゆい、屁が出る、などの症状に悩まされております。
恐らくは今夜がヤマかと思われます。
返米、遅くなりまして申し訳ございやせん。
明日、生きていたらお返事いたします。
それではおやすみなさ~い。。。

はじめてのほうとう

私たちが結婚してすぐの頃。
お互いに富士山好きという事で、お決まりのドライブコースである富士五湖方面に行った時のお話。

山中湖の湖畔で、私たちは自慢のオープンカーを走らせていた秋の日。
標高が高いとあって、もう気温もかなり低くなっているにもかかわらず、幌を下ろしてオープン走行。
皮のハーフコートに身を包み、サングラスをかけ、オープンカーの怪しいカップル。
格好を付けているわりには、低い気温のせいでお互い真っ赤な鼻でやせ我慢しております。
若き日の招き猫夫婦であります。

「寒いから、何か温かいものでも食おうか。」

と私が提案。
その提案に、ひまわりは即座に食いつくのであります。

「あ、それなら一度食べてみたかったのがあるんだ!」

ひまわりが食べてみたかった料理とは、山梨県の郷土料理であるほうとう。
ご存じない方のためにご説明いたしましょう。
平らで太めに切ったほうとうと呼ばれるうどんを、味噌仕立てのスープでたくさんの野菜と豚や鴨といった獣肉と一緒に煮込みます。
家庭では鍋料理のように、大きな鍋で作って家族でつついたりもしますが、お店などで注文をすると一人前の鍋で出てきたりもいたします。
名古屋の味噌煮込みうどんとは、うどんの形状がまず違います。
味噌煮込みうどんのように煮込んでもコシを失わないしっかりとしたうどんではなく、煮込んでしまったらまるですいとん状になってしまうのがほうとうです。
味噌も赤味噌主体の名古屋風ではなく、白味噌主体の関東風なのでしょうか。
そして何あがあっても譲れないほうとうの条件は、野菜の具の中に必ず絶対に何が何でもかぼちゃを入れる事。
かぼちゃが入っていないものは、ほうとうと呼ぶ事は出来ません。
極端に言えば、ほうとうの麺を入れ忘れても、かぼちゃだけは忘れてはいけません。

さて、お話を元に戻しましょう。
ひまわりはほうとうの本場山梨県で、一度ほうとうを食べてみたかったという願望を叶えたいと主張します。
ひまわりとの楽しいドライブですから、心の方は暖かな私でしたが、オープンカーでのドライブという条件ゆえ身体の方はいささか冷えてまいりました。
そんな冷えた身体に温かなほうとうでありますから、私に彼女の意向を拒否する条件は何一つございません。
ノー文句で受け入れる結果となりました。

それでは早速お店を見付けよう!と言うのが先か、さすがここは山梨県。
すぐにほうとうを目玉にしているお店発見。
高々とほうとうの文字が書かれた幟が立っております。

お店に入ってワクワク状態のひまわり。
そして待ちに待った山梨の郷土料理、ほうとうが私たちの前に運ばれて来ます。
やった~うまそう~♪
とふたを取る私たち。
しかし、ふたを取った瞬間、固まるひまわり。

「どったの?」

「かぼちゃだ・・・」

それがどーしたと言う私を前に、ひまわりの破滅の言葉。

「アタシ、かぼちゃ嫌いなの。」

あのなぁ、ひまわりさん。
かぼちゃが入らないほうとうは・・・
そんなゴタクは耳に入る事も無く、ただがっかりするひまわり。
「わーた。かぼちゃはこの私が引き受けよう。」
という私の言葉に、遠慮なく私の鍋にありったけのかぼちゃを放り込みます。
余程かぼちゃが嫌いなのでしょう。
小指の先ほどのかぼちゃのかけらまで、私の鍋に入れるひまわり。

さぁ、かぼちゃ抜きのほうとうを召し上がれ。
温かくて、素朴で、初めてなのに何故か懐かしい・・・
ひまわりはそう言って舌鼓を打っておりました。

すっかり味を占めたひまわりさん。
みやげ店でほうとうの麺を発見。
家でも作ろうという事で購入。
はい、家でも作りましたとも。
もちろんかぼちゃは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どっさり入れます。
ひまわりはそれでも、かぼちゃを避けて食べてくれました。
その後、ちょくちょく家でほうとうを作る様になった私たち。
ひまわり曰く・・・

「ほうとうにはかぼちゃを入れなきゃね!」

食べないけれど、入れなくてはいけないそうです。
翌日になるとほうとうのかぼちゃはスープに溶けてしまい、スープはすっかりかぼちゃ色になってしまいます。
そのかぼちゃ色のスープを美味しそうに飲むのは、なんとひまわり。
「かぼちゃは嫌いだけど、かぼちゃが溶けたこのスープがうまいんだなぁ・・・」
って・・・ほんとかよ。

お墓参り

今年初めてのお墓参りに行ってまいりました。
本当はお正月早々に出かける予定でしたが、従兄妹夫婦や叔父貴も合流しようと言う事で、皆さんの予定などを聞いてこの時期となりました。
また、ひまわりの方もお正月ともなればあちらのお付き合いもありますでしょう?

当日は現地で他のみんなと合流。
少々寒い日でしたが、お天気が良かったので良い日に出かける事が出来ました。

お寺さんにご挨拶を済ませ、本堂のお釈迦様にもご挨拶。
昨年出来上がったばかりのお墓は、まだ真新しく綺麗なものでした。
以前ご紹介しましたが、ひまわりは富士山が大好きです。
そういう訳で、お墓にはひまわりだけの富士山を彫ってあげたのです。

しかし!

もしかするとその必要は無かったかもです。
(」゜ロ゜)」 ナント
ひまわりのお墓から直接は無理でしたけど、お寺の西の方角には美しい富士山が見えているのでありませんか!
今まで曇りの日か、あるいは空気が澄んでいない暖かい季節しか行っていなかったのでしょう。
空気が澄んで天気がいいこの季節は、美しい富士山が拝める場所だったのですね。

ひまわり、良かったな。
本物の富士山だぞ。
いい場所を選んであげられたなぁ。

ひまわりのおしるこ

先日、息子のキアヌ君の幼稚園が消防署の出初式に呼ばれました。
そこで息子の学年はダンスを披露したのです。
演目は「花笠ロック」。
花笠音頭をロック調にアレンジしたもので、なかなかカッコ良かったですよ~。

私とばあちゃんも、当然の事ながら見学に行きましたよ。
場所は地元の文化会館の大駐車場。
当日は風が強くて、とっても寒かったのでした。

さて、園児達が到着するちょっと前に到着した私とばあちゃん。
寒い駐車場ではなく、会館のロビーで待っていたのです。
しばらくすると、消防署の方がおしるこを提供してくださいました。
ばあちゃんはそのおしるこを頂きに行きました。
紙コップに注がれた暖かいおしるこ。
寒い時にはありがたいですね~。
早速一口すするばあちゃん。
すると・・・

「ん?ちょっと塩がきいてるなぁ・・・」

紙コップに注がれたおしるこは、上澄みだけが薄く浮いてしまっていました。
紙コップをゆすって、沈殿した小豆を混ぜると甘くなったようです。
糖分だけが沈殿してしまい、上澄みには隠し味に入れた塩分が浮いてしまったのでしょう。
うちのばあちゃん、臭覚はだいぶ鈍ってしまいましたが、味覚はまだまだ鋭いようであります。

そんな時、思い出したお話があります。
我が家ではひまわりの話で語り継がれている笑い話。

私たちがまだ結婚する前。
季節はちょうどお正月が終った頃、私とひまわりがデートに出かけた日の事です。
若い恋人同士が、食事をしてドライブを楽しんだ後といえば、する事は決まっているわけであります。
私たちもしかるべき施設に入り、休憩を取っていた時です。
ひまわりは保温の水筒のような物をバッグから取り出しました。

「今日はね、おしるこを作ってきたのよ。アタシだって料理作れるんだから!」

得意気におしるこをカップに注ぎます。
おぉ!運転に疲れていた私には、甘い物がちょうど食べたい時でありました。
喜び勇んで一口すすってみます。

「ずずず・・・んあ?」

なんかおかしな味がします。
どう考えても、私が考えるおしるこの味ではありません。
もう一口。

「ずずず・・・コレ、しょっぱくないか?」

そしてひまわりも一口。

「・・・あら。」

「・・・あら。」ではありません。
確かにその味は塩の入れすぎ。
普通は甘みを良く感じさせるための隠し味の塩であります。
その塩を入れすぎたら、隠し味でも何でもありません。
塩はメインの味と化してしまいます。
はい、ひまわりさんの言い訳は・・・。

「塩、入れすぎたかなぁ?と思ったけど、塩だからいいかと思ってそのままかき混ぜた。」

塩でも入れすぎてもいいはずがありません。
いやむしろ、塩は入れすぎては絶対にいけません。
そして人に食べさせるために作った物は、味見をしなければいけません。
その後、そういった料理の為の心得を散々説教した私。

「だって、私だって作れるんだぞって所を見せたかったんだもん。喜んでくれるかなって思ったんだもん。」

ちょっと言い過ぎてしまったかなぁ?
ひまわりはすっかりしょげてしまいました。

「今度は一緒に何か作ろうな。そして一緒に食べよう。」

「うん、今度は美味しいのを作ろうね・・・。」

結婚した後、ひまわりは起死回生の「鮭のちゃんちゃん焼き」を一人で完成させ、私を喜ばせてくれました。
やればできるじゃん、ひまわり。
しかし、あの日のおしるこの味は、今でも忘れられません。

ひまわり
考えてみれば、あの日のおしるこは君が初めて私に作ってくれた料理だったなぁ。
もう少し思いやりのある態度を取れば良かったって、今は後悔しているんだ。
でもあのおしるこなぁ、味はともあれ忘れられない味になってしまったよ。

夜景と夜空の間

かつて若かりし頃の私には、女性を口説く必殺のスポットがありました。
それは、夜の箱根の山の山頂付近。
芦ノ湖スカイラインという道を走りぬけ、途中の側道に車を停めて箱根から三島の街を見下ろすのです。
それは素晴らしい夜景であります。
季節は絶対に冬がよろしい。
空気が澄んでおりますゆえ、夜景ばかりか夜空の星も美しいのであります。

ひまわりと結婚する前のお話。
それはまだ、私たちがラブラブの恋人同士だった頃。
ひまわりはある日、こんな事を言い出します。

「アタシ、まだ猫くんの料理食べた事ない!」

え?そーだっけ?
私が以前料理のお仕事をしている事を知っていたひまわりは、是非とも何か作って欲しいというリクエストを私に突きつけます。
さて、どうやって作ってあげようか。
ん?そう言えばひまわりはまだあの場所へ連れて行ってなかったなぁ・・・。

という訳で、私のプランはあの美しい夜景を見ながら、車の中で調理をしようと言う事になりました。
私の叔父叔母が所有しているワンボックスカーを借りてまいります。
車にはカセットコンロに手鍋とフライパン、それにいくつかの食材を積み込みます。
メニューは、スパゲッティ・ボロネーズにチーズオムレツ。

当日、ひまわりを迎えに行き、一路箱根へ。
東名高速から小田原厚木道路を経て、箱根新道と通って芦ノ湖スカイラインへと走ってまいります。
時刻はすっかりと暗くなっています。
ロケーションはばっちし。
側道に車を停め、今まで2人きりのドライブを楽しんでいたひまわりは、突然口が開きっぱなしになります。
その夜景の美しさ・・・。
まるで宝石箱をひっくり返したような光が、私たちの目に届くまでの空気の温度差によってまたたいているのです。
そして見上げれば満天の星。
星空と夜景の間が、はっきりとわからないようです。

「うぁぁ・・・きれい」

ひまわりの声にならない声。
本当に喜んでくれました。

そして車内でのディナーの始まりです。
仕込んでおいた手作りミートソースを火入れし、お湯を沸かしてスパめんをボイルします。
オニオンスライスと共にめんをソテーし、お皿に盛り付け暖かいミートソースをかけます。
卵を割り塩とコショーで味付け、バターをフライパンにしきます。
溶いた卵を流しいれ、トロトロになった所でチーズを乗せます。
それをフライパンを振りながら丸めていき、楕円形に整った所でお皿に盛ります。
ワイングラスにワインを注ぎ、ビストロluckycatのディナーコースです。

美しい夜景を見ながら、少し窮屈な車内でディナー。
BGMはカーステレオで浜省のバラードがかかっています。
ひまわりとの忘れられない一夜。
その夜、私たちは車の中で少し仮眠を取り、酔いを醒まして帰途に付きました。
その数ヵ月後の初夏に、私たちはゴールインする事になるのです。

ひまわり、覚えているかい?
あの夜の夜景。
君はあの夜景の一部になってしまったのかな。
また見に行っていいかい?
今度は女の子ではなく、息子を連れて・・・。

鉄道むすこ

昨年の終わりごろ、茅ヶ崎に住む友人にちょっとしたお仕事を頼まれました。
久しぶりに会う友人だったもので、冬休みである事もあいまって息子も連れて出掛ける事になりました。
その帰り道でのお話。

お仕事も終わり、食事や積もる話もあり帰りは夜の8時をまわってしまいました。
息子は途中で眠ってしまいます。
さて、そろそろおいとましようと言う事になり、眠ったままの息子を抱いて車に戻ります。
シートを倒して寝かせ、いつも車に積んであるフリース生地のひざ掛けをかけてあげます。
友人と別れ車で走り出す私たち。
しばらくすると、ムクリと置きだす愛息子のキアヌくん。

「なんだ、起きたのか。ぐっと寝たか?」

「うん、ぐっとねた。はらへりこぷたーです。」

という訳で、途中のコンビニで食料を調達。
おにぎりとりんごジュースを買いました。
コンビニの駐車場でおにぎりをパクつくキアヌ。
カーナビでテレビでも見ましょうか。
しかし、ここは神奈川県。
映るのはローカル局の某TVKだけ。
仕方なくステイチューン。

時刻は夜の9時。
見慣れない番組が始まります。
しかし、無類の鉄道ファンであるキアヌは、始まった番組に釘付けになってしまいました。
その番組名とは・・・

「鉄道むすめ」

私も噂は聞いたことがありました。
それは、某玩具メーカーから出ているフィギュアのシリーズ名。
女の子のフィギュアに、実際に使われている鉄道員の征服を着せて売っているものです。
まぁ、そちら系のヲタクを対象にした商品ですね。
その商品のキャラクターを実写版で登場させるドラマ番組だったのです。
番組は、30分で2本完結のオムニバス形式。
当然、実際の駅や車両が出てまいります。
その時のドラマは、長野の上田電鉄。
信州の鎌倉と呼ばれている別所温泉駅を舞台に、観光協会から派遣された観光駅長として頑張る、AKB48なるユニットの河西智美さん扮する八木沢まい駅長が主人公。
ドラマの内容も、ヲタクを喜ばせるだけの軽い内容ではなく、最後はちょっとホロッとさせる本格的なものでした。

「おとしゃん、ぼくこれきにいりました。」

というキアヌの言葉に

「コレは神奈川ローカルだから、きっとウチでは見れんぞ。」

さて、帰宅した私は早速ぐぐってみました。
すると、我街のローカル局であるちばテレビでも放送しているではありませんか!
なぜかちばテレビの方が一周遅れて放送していたため、カーナビで見た内容は翌週放送予定になっています。

ラッキー!

早速録画予約。

キアヌと楽しく見ようと思っていたドラマですが、それも来週1月17日の放送で最終回だそうです。
2月にDVDが出るようなので、買ってやろうかなぁ・・・。

鉄道むすめ

もうひとつのライター

以前時計とライターという記事を書きました。
その記事は、ひまわりに買ってもらったけれど失くしてしまったライターのお話でした。
しかし、ひまわりに買ってもらった失くさないで大切にしているライターがあります。
それはある夏の日に買ってもらった大切なライター。

私たちが好きだった思い出の場所は、良く2人で出掛けた清里と言う場所です。
かつてプチ軽井沢と言う感じで、若い人にもてはやされた場所。
静かな山中におしゃれなお店が立ち並ぶ、私たちも大好きな所でした。

私たち夫婦が好きだったのは、清里駅から坂道を下り、国道の突き当たりにあったRockというお店。
ログハウスのお店は、自慢のビーフカレーと新鮮な野菜サラダ。
手作りバターがたっぷりのせられた超厚切りのバタートースト。
そして美味しいコーヒーと紅茶。
落書きだらけのお手洗いと、アメリカンな雰囲気のポスター達。
朝早くに出掛けて、日帰りでドライブを楽しんだ後、良く食事をしたお店です。

その日もRockで食事を楽しんで、その後もう一軒の私のお気に入りのお店に出掛けたのです。
それは、輸入雑貨のお店。
時計やライターなどの小物から、良くわからない鉄製の箱はかつて英軍が機関銃を入れていたものだという。
私がそのお店でいつかは購入しようと思っていたのは、ベトナムジッポライター。
米兵がベトナムに向かった際、軍から各自ひとつずつジッポが配られたと言います。
そのジッポは、各自が自分の好きなイラストを彫ったのです。
愛機の絵、家族の名、好きな女優の似顔絵・・・。
そしてそのジッポ達は、戦火をかいくぐりいくつかが本国へ帰ってきました。
そんな戦争から帰ってきたジッポの実物が、今でもこうして売られているのです。
ジッポライターは基本的に永久保障ですので、メーカーから保証書も再発行されているベトナムジッポ。
当時で2万円ほどしていた(現在では4万円を超えているらしいです)そのライターが、私は欲しくてたまりませんでした。

いつものように、私は鍵の掛かったショウケースに張り付いていると、ひまわりは勝手にお店をうろうろしています。
そしてそのライターは、ひまわりによって発見されるのです。

「アンタ!これかっこいいんじゃない?」

そのライターは今まで見たこともない形をしていました。
メーカーも良くわからない、手作りの様な物でした。
丸いボディーには、本物の25セント硬貨が使用され、その上には火打ちと火が付く芯、そして火消し用のキャップの付いた棒。

「う~ん、こんなライターは今まで見たことが無いぞ」

お店のマスターに聞くと、良くわからないけどおもしろそうだから仕入れたと言われました。
オイルも石もジッポ用で良いらしい。
しかも、在庫はたった一つだけ・・・。
上部の火消し棒を手動で持ち上げると、これまたユニークな形。

「これならアタシが買ってやる!」

というひまわりの言葉。
もう、ノー文句で買っていただきました。
するとマスターは「それ持ってくか・・・」と少し残念顔。
しかし、しっかりとジッポオイル一缶をおまけしていただきました。
早速オイルを注入して火を点けてみます。
なんともやさしい火。

実はこのライター、喜んで買っては見たものの実は使い勝手が良くなかったんですね。
オイルは入る量が少なく、そしてすぐ蒸発してしまい長持ちしません。
そして、芯はすぐにだめになってしまい、交換が頻繁に必要だったのです。
つまりは、お手入れをしないと非常に火が付きにくいのです。
また、非常に風邪に弱いという欠点も持っていました。
いつでも簡単に点火可能で、しかも風邪に強いジッポを多用するうち、このライターは仕舞われていったのです。

ひまわりが亡くなった今、久しぶりに芯を交換して石も新品に取り替えてみました。
しばらくぶりに灯されたやさしい火。
炎の向こうには、やさしい笑顔が確かに見えました。

ひまわり、あのライター・・・
また使わせてもらうよ。
そう、吸いすぎには注意するな。

不覚

それはまだ、ひまわりが闘病生活をしていた頃。
状況は、私だけ主治医からひまわりの余命を宣告されていたという時期です。
ひまわりは自宅での化学療法(抗がん剤)治療を行っていました。
私は大して仕事も出来ず、その反面治療費もかさみ、そして何よりもひまわりの身体に対しての心配で少し参っていた頃です。

私たちは息子を連れてちょっと買い物に出かけた時のことです。
帰りの車中で、今ではもう会話の内容はすっかり忘れてしまいましたが、私はストレスからひまわりに愚痴をこぼしてしまったのです。
一方でひまわりはどこまでも前向きで、治ったらああしたい、こうしたいという話ばかり。
本当ならば、私もそういった話に付き合ってあげなければならなかったのでしょう。
しかし私は、ついに少し大きな声を出してしまったのです。
「何故怒っているの?」といったひまわりの表情を見て、ついに私の目から涙が流れて来てしまったのです。
情けない夫ですね・・・。

その日、私は午後から仕事の打ち合わせに出てしまい、帰りはすっかり夜になってしまいました。
家に帰ると、私のPCにメールが入っていました。
ひまわりのメールアドレス。

「あんたがそれほど苦しんでいるなんて、思わなかった。」
「病気とはいえ、甘えすぎだったかもしれないね。」
「あんたのこともちゃんと考えなきゃね。」
「ごめんね。」

そのメールを読んで、再び涙する招き猫でした。

ひまわり。
謝るのは俺の方だったよ。
弱い夫で済まなかったな。
一番辛かったのは、誰でもなく君だったんだもんな。
こんな父に息子を置いて行かなければならないなんて、さぞや心配だったと思う。
でも、俺も少しは学ばせてもらったよ。
まだ心配だろうけど、これからも見守ってくれ。
息子を一人前に出来たなら、褒めてくれるか?
俺はその為だけに生きてゆくよ。

’09年明けましておめでとうございます。

ひまわりが他界して、2度目のお正月がやってまいりました。
昨年は喪中という事で、新年のご挨拶もできませんでした。
今年はこうしてご挨拶が出来ます事を喜んでいる招き猫一家でございます。

さて、今年のお正月の主役は言わずもがな息子のキアヌでございます。
従兄弟夫婦に買っていただいたゲーム機「任天堂DS」を、新年から楽しんでおります。
あぁ、とうとうキアヌはゲームデビューしてしまった・・・。
先が思いやられます。
目は悪くならないのか?
ゲーム最優先の生活にはならないものか?

「言う事を聞かなかったら、ゲーム機はおとうさんが取り上げてオークションにかけてお金にしちゃいます!」
という脅迫の元、異様におりこうさんなキアヌ君。
プラレールのレイアウトを出しっぱなしで寝てしまったり、散々言わないと歯を磨かなかったり・・・。
それが黙っていてもお片づけはするは、ちゃんと歯を磨くはで、ゲーム機の威力は凄いもであります。

さて、従兄弟夫婦にゲーム機本体ばかりではなく、ちゃっかりゲームソフトもおねだりしたキアヌ。
何を買ってもらったのかなぁ?
チラッと覗いてみると・・・

「鉄道ゼミナール~JR編~」

「鉄道検定DS」

結局そっちかよ。。。