瞼の裏側にはいつも笑顔の神様がいる

6月, 2010 のアーカイブ

それぞれの幸せ

昔、妻が言っていた。

アタシの夢はね、年をとって田舎に日本家屋を買って暮らすのよ。
縁側でね、猫をひざに抱いてお茶を飲むのよ。

残念ながら、彼女の観ていた夢の中には、私の姿は無かった。
いずれ2人して年老いたら、縁側で日向ぼっこしている彼女に、大好きなロイヤルミルクティを淹れて持って行ってやろう。
私もそんな事を想っていた。

結婚する事をよく「ゴールイン」等と言ったりするけど
結婚は決してゴールなどではない。
恋愛している頃に持っていた「好き」という感情はすぐになくなり
いる事が当たり前になり、やがて鬱陶しくなり
そしてお互いが空気のような存在になる。
再び無くてはならない存在になる頃、ようやく2人のスタートなのかもしれない。
残念ながら、私はそんな経験は出来なかった。
彼女にもさせてやれなかった・・・。

それぞれの思い描く幸せの形ってモノがあるんだと思う。
豪邸が欲しいとか
ブランドバッグが欲しいとか
高級外車が欲しいとか

私の幸せはなんだろうなぁ。
何にも欲しくないや。
何も欲しくないから、生きてゆくのがこんなにもダルっちいんだ。

仕事の合間、道端の植え込みを見ると
私の大好きな花を見つけた。
今年もまた、咲いてくれたんだ。
家に帰ると、息子が顔をくしゃくしゃにして抱きついて来る。
仏壇の妻の写真を見ると、いつもの笑顔で笑っていやがる。
ばあちゃん、お茶~!
等と言ってみる。

ん?ワシは幸せなのかもなぁ。。。
だから生きてゆけるんだ。

無言の中の言葉

久しぶりに妻の夢を観た。
元気に、あの笑顔で「ただいまぁ!」と言って帰ってきたひまわり。

よく帰ってきてくれたなぁ。
仕事なんてしないでいいから、しばらくは家でゆっくりしてろよ。

何故か息子はいなかった。

るるるるる

電話が鳴る。

んあ?

強制的に楽しい夢から目覚めさせられた私。

もしもし。

・・・

深夜の無言電話。

思わず私は訊いてしまった。
そんなはずはないと思いながらも。

「ひまわりか?」

いつまで経っても回答は無く、電話は無言のままずっと切れずに続いた。

「もしもし、切るよ。」

そう言って私の方から受話器を置いた。

そんな電話のせいで、眠れなくなってしまった猫一匹。
息子は寝言で笑ってるし・・・。

久々の更新。

皆さん、お元気ですか?