きあぬの鉄道⑧きぬが生きている公園
前方よし!
後方よし!
鉄道には全く興味の無い私招き猫が、鉄道ファンの愛息子のために引きずりまわされる鉄道ロマンの旅。
列車情報は息子に全てお任せのまま・・・
きあぬの鉄道!出発進行!
今回私たちが乗車してまいりましたのは、もうすでに引退し公園の遊具と化してしまった車両。
東武鉄道のデラックスロマンスカーきぬです。
1960年から1991年まで、浅草から日光鬼怒川を結ぶ特急列車。
1720系を要したデラックスロマンスカーきぬは、1990年に現行の100系スペーシアの運行が開始されるまでその豪華な内装を誇り、東武鉄道のエースの座を張っていました。
その中の1726号車が、とある公園に保存されています。
今回は、当時の豪華列車をきあぬと一緒に覗いてみる事にいたします。
今年の初め、きあぬとひまわりのお墓参りに行って参りました。
お墓は埼玉県の鴻巣市。
私たちの住む千葉県流山市から、クルマでたっぷり2時間ほどかかる場所であります。
まぁ、高速を使えば1時間とちょっとで行けるのですが、ケチの私たちは下道で。
最近は下道もだいぶ裏道を開発し、1時間半ほどで行ける様になったのです。
そのいつもお墓参りの時に通る裏道に、とある公園があります。
きあぬはそこを通る度に、いつも気になっていたようでした。
その公園とは、岩槻城址公園。
春にはさくら祭りも開催される、緑と水のある綺麗な公園です。
初めて公園の前と通った時、公園の駐車場の横にたたずむ巨大なものをきあぬは見逃しはしませんでした。
「おと~しゃん!あれなんでしょう?」
少し徐行してみると、肌色と赤のツートンカラーの列車。
正面のエンブレムには「きぬ」の文字。
その時は時間も無く「また今度行こう」といって通り過ぎるだけでした。
さて、今回はお墓参りの帰り道、ちゃんと寄って見て行こうと言う事になったのです。
さて、公園に到着。
展示されている車両は、駐車場のすぐ横。
クルマを降りるきあぬは、まるでリードを外され放牧された飼い犬のように、ヘラヘラしながら走って行こうとするのです。
「こら!クルマに注意して歩いて行きなさい!」
そこはホレ、私も一応父親なもんで・・・。
もうだいぶ車体は汚れてしまっていますが、迫力のフロントマスクの前でパシャッ。
幸運な事に、毎週土日の午後3時まで、車内を公開していると言うのです!
勿論料金は無料。
早速中へ入ってみる事にいたします。
と、その前にきあぬ君、車両点検です。
ぶれーきしりんだーよーし
こんぷれっさーよーし
って・・・いったいどこでそんな事教わるんでしょうねぇ・・・。
はい、いよいよ運転席。
もにたーよーし(モニターなんて無いよ、きあぬ・・・)
どあよーし
もくしよーし
しゅっぱつします!
しゅっぱつしんこう~!
気分はすっかり、特急列車の運転手さんです。
本物の車両の運転席なんて、滅多に乗る事は出来ませんからね。
車内で知り合った鉄道ファンのお友達と、パシャッ。
ばいばいとっきゅうきぬ
またあそびにくるからね~!
車内は冷暖房完備。
公開されている間は、夏は涼しく冬暖かい考慮をしてくださっているようです。
内部はさすが、デラックスロマンスカーと呼ばれるだけあって、今見てもなかなかの造りでした。
客席のゆったりとしたクロスシートにも、実際に座る事もできます。
鉄道好きの方には、結構楽しめる公園かと思います。
勿論、公園内はその他の遊具も盛りだくさん。
テニスコートなども借りる事ができるようですよ。
暖かくなりましたら、ゆっくりと散歩気分でいかがでしょうか?
引退してしまってから、もう20年近く経とうとしている1720系デラックスロマンスカーきぬ。
当時としては世界的な観光地である日光に、海外からの観光客を運ぶデラックスな車両として運用されていたのでしょう。
こうして既に現役を終えてしまった車両を見ると、いつも思う事があります。
僅かに与えられた短い線路の上で、この車両たちは何を想うのでしょうか?
誇りを持って走っていた現役時代を、思い出しているのでしょうか?
私は思います。
こうして子供たちを相手に自らの形を残す事は、それはそれで猛然と走っていた頃と同じ様に立派な姿なのではないかと・・・。
事実、息子のきあぬはこの車両に夢やロマンを見せていただきました。
1726号車、特急きぬ。
ありがとう、また会いに来ます。。。
当列車がご案内いたしました、車窓風景、鉄道ロマンなどのお忘れ物はございませんでしょうか?
本日は当列車にご乗車くださまして、まことにありがとうございました。
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