ある日、病院で・・・向日葵忌
ひまわりの一周忌がやってまいりました。
そう言えば、こんな暑い時期に彼女は旅立って行ったのですね・・・。
去年の今頃は・・・まだアイツは生きていて・・・
そんな事を想うことも、もう出来なくなります。
少し寂しいです・・・。
今回は、ひまわりの一周忌・・・「向日葵忌」という事で更新です。
ひまわりが病気と闘っている時のエピソードです。
ある日、私がお見舞いに行った時、ひまわりに聞いた事がありました。
「お前さん、何か食べたいもんはあるかい?」
「う~ん、病院食以外なら何でも食べたいな。特に家で食べていた物が食べたい。」
「ほうか、何がいいかな?作ってきてやるよ。」
「そうねぇ、特に食べたいのは、アンタがスズキを釣ってきた時に作ってくれたやつがいいな。」
「シーバスのカルパッチョかいな・・・釣りに行かにゃあかんなぁ。」
と言う訳で、仕事の都合を付けて釣りに行ってきました。
しかしながら、釣れたのは小さなスズキの子供のセイゴ。
それしか釣れなかったのだから、仕方ありません。
そのセイゴを捌いて、切り身を作りました。
翌日は、確か横浜でお仕事。
クーラーボックスに小さなスズキの切り身を入れて、ぺティナイフとまな板をクルマに積んで仕事に向かいました。
お仕事が終わって病院にかけつけた私。
クーラーボックスを担いで病室に向かいました。
「今日はうまいものを食わしてやるよ。」
「え~何々?」
私はクーラーから魚の切り身を取り出し、包丁でスライス。
お皿に盛り付けて、上にオニオンスライスを乗せます。
その後、ポン酢をかけてその上からマヨネーズを絞ります。
スズキのカルパッチョの出来上がり。
「はいよ、召し上がれ。」
「・・・」
無言で食べ始めるひまわり。
そして「美味しいよ!」と言ってくれました。
久しぶりに私の料理を食べたひまわり。
今から思えば、私たちの最後の幸せなひと時だったのかもしれません。
私たちがまだ結婚してすぐの頃の曲です。
懐かしいけど、今聞くと照れくさいですね。
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