瞼の裏側にはいつも笑顔の神様がいる

10月, 2007 のアーカイブ

キアヌの運動会

昨年の秋、息子のキアヌのはじめての運動会が行われた時。
ひまわりは入院生活を送っていました。
何とか運動会を見たいひまわりは、主治医にわがままを言ってその日だけ外泊許可を貰いました。
なんと言っても昨年のキアヌにとっては、幼稚園に入園しての生まれてはじめての運動会。
お遊戯は、本当ならお母さんと一緒にするのですが、練習もしていないひまわりは見学でした。
その代わりにお遊戯に参加したのは・・・私だったのです。
周りはみ~んなお母さん・・・。
お父さんのキアヌだけ、異様に目立っていました。
しかも、こっ恥ずかしい目に遭ったのは、私なんですね~。
中には20代のお母さんに混ざって、バンダナを渡されそれを頭に巻いて「いたずらラッコ」を踊りました。

息子のはじめての徒競走は、ゴール寸前に交わされて惜しくも2着でした。
5人中ですから、頑張った方ですね。
それでもひまわりは、手を叩いて喜んでいました。
デジカメを片手に、写真を撮りまくっていました。
お昼日は、園庭で一緒にお弁当を食べました。
私が作った肉巻きアスパラを美味しそうに食べてたっけ・・・。
きっと、ひまわりにとっていい思い出になった事だと思います。

そして、少し前になりますが、キアヌの2度目の運動会が行われました。
お母さんのいない運動会・・・。
ひまわりの実家のおばあちゃんも駆けつけていただいて、少しでも寂しくないように。

そして、キアヌの徒競走。
予行練習では、ぶっちぎりの1着だったらしいのです。
同じメンバーですから、本番でも1等を取ると張り切るキアヌ。
しかし、スタートで3番手と出遅れるキアヌ。
第一コーナーで2番手に上がる!
最終コーナーを曲がって最後の直線コースに入った!
そこで鋭い切れ味の末足を使い、キアヌは先頭に立った!
2着以下を3馬身(オイオイ)引き離し、見事1着でゴールイン!

ゴールのテープをバンザイをしながら切るキアヌは、その後驚きの行動をとるのです。
なんと、人差し指を空に向かって挙げたのです。
そう、お母さんに向かって・・・。
私はそれを見て、思わず目から鼻水が流れてしまいました。

私が泣きべそをかいていると、知り合いの奥さんに見られてしまいました。
「あ~キアヌ君パパ泣いてる~!」
今年の運動会も、こっ恥ずかしい目に遭ってしまいました・・・。

ひまわり~!君の息子はすごく頑張ったぞ!
見てたか?ひまわりっ!

夢と魔法の国

私はひまわりと付き合うまで、頑なに決めていた事がありました。
それは・・・

「浦安に出来た巨大遊園地に行った事の無い、最後の日本人になる事。」

私的には、全く興味の無い施設だったんですね。
それよりも、あんなものに一生懸命にお金を使う人が、理解出来なかったのです。
それまで、フードサービス業に就いていた私です。
人が人をサービスする事に、限界を感じていたのです。
それよりも、自分は自然の恵みを大切にしたい。
そして、その大自然からの恵みこそが、人にとって最大の楽しさであり、本当の安らぎではないか・・・。
そう思っていたのですね。

しかし・・・付き合い始めたひまわりに言われた事は・・・

「ねぇ、今度ディズニーランドへ行こうよ!」

私はめまいがしたものです。
ひまわりは、泣きながら抵抗する私をほぼ脅迫めいた言葉と共に、その場所に連行したのです。

「なんだ、スヌーピーはおらんのか」
という滅茶苦茶な私の発言を尻目に、勝手知ったる園内を連れ回すひまわり。
「おぉ!三木ネズミがおるぞ!」
と私が言っても、そんな事はお構いなしに、彼女は自分が好きなキャラクターを探していました。
そのキャラクターとは・・・

「キャー!いたいた!ドナ~!」

ひまわりの好きなキャラクターは、いつも文句ばかり言って怒った顔をしているアヒルだったのです。

「ドナ~♡ かわいい~!」

「そぉ~かぁ~?」

「かわいいじゃん!キャー!」

「どぉこぉがぁ~」

「全部よ!全部!」

私など置いてきぼりで、一人盛り上がるひまわりさん。
その後、朝から最後の花火まで付き合わされた私。
「疲れた」「もう帰ろうよ」を連発する私に、帰り道「もうあんたとは来ないわ」と言うひまわり。
その言葉とは裏腹に、何度連れて来られた事か・・・。
30歳をはるかに超えても、アヒルのキャラクターを身に付けていたひまわり。
まぁ、ブランド物のバッグを欲しがるるよりも、安上がりでしたねどねぇ。

彼女が逝ってしまった時・・・
大きなアヒルの縫いぐるみと一緒に、ひまわりは旅立って行ったのです。
彼女が寂しい想いをしていませんように・・・

巨大ニジマスとひまわり

ひまわりは私と付き合うようになるまで、完全なインドア派でした。
バブル期には、例の羽の付いた扇子を持ってお立ち台で踊るような子でしたから・・・。

彼女が私と付き合うようになってから、初めて体験したのが魚釣りでした。
私が彼女に教えたのは、この前仕事のブログで書いたニジマスのルアーフィッシングです。
私がその釣りに誘うと、嫌々ながらも同行してくれたのでした。

しかし、やってみるとこれがまんざらでもなく、次第にハマっていくひまわりさん。
そりゃあの魚とのやり取りを味わえば、当然ハマりますとも・・・。
数匹のニジマスとのファイトを体験し、すっかり魚釣りの魅力に取りつかれてしまいました。
そして挙句の果てに、私がやっているルアーよりも難しいフライフィッシングにも興味を示すようになってしまいました。
私は彼女に、ちょっといいルアーロッドと、安いフライロッドをプレゼントしました。

そしてひまわりは、私が料理するニジマス料理が大好き。
ムニエルにホイル焼き、から揚げにして中華あんかけをかけたり、甘酢をからめたり・・・
どんな料理も美味しいと言って食べてくれました。
そういう訳で、我が家の冷凍庫にはいつでも凍ったニジマスが保管されていました。

ある夏の日、リバースポット早戸という管理釣り場で、私たちは釣りを楽しんでいました。
一日中釣りを楽しいんでいると、魚の活性の時間がわかってきます。
朝はかなり釣れますが、日中は活性が低くなります。
そして、夕方に再び釣れる様になってくるわけですね。
その日も、昼間のあまり釣れない時間が続き、もう少しで釣れる様になる時間になった頃でした。

釣れない時間と言う事で、私が一休みしている時です。
それでもひまわりは、一人ルアーをキャストしていたのです。
私が冷たい物を飲んでいる時、ひまわりの悲鳴にも似た声が聞こえたのです。

うぁ~~~~!きゃ~!!!

見ると、ひまわりのルアーロッドが大きくしなっているではありませんか!。
ひまわりのルアーに食いついているのは、50cmを超える巨大なニジマスでした。
私は慌ててネットを持って走ります。

「おちつけよ~!あせるなよ!ゆっくりな、疲れたか?大丈夫、そのままそのまま」

あせっているのは、どうやら私だったようです・・・。
ようやくネットに収まったのは、巨大なメスのニジマス。
お腹には卵をもって、パンパンに膨れ上がっている獲物でした。

「やった~!」

私とひまわりは、手を取って大喜びしました。
恐らくは、その日その釣り場での一番の大物。
嬉しそうなひまわりの笑顔は、今でも忘れられずに私の脳裏に浮かんでくるのです。

騙されたと思って・・・

ひまわりは、食べ物の好き嫌いが私と似ていました。
ピーマンが嫌い
しいたけが嫌い
といったところが共通でした。

しかし、私よりも嫌いなものが少なかったようです。
中華料理のピータンが好きでしたが、私はアレは食べられなかったですね~
何も、腐った卵を食わなくても・・・

彼女が嫌いで、私が好きな食べ物と言えば「うなぎ」が挙げられます。
しかし、「アナゴ」は食べられるというよりも、大好きだったんですよ。
変わってるでしょう?
「うなぎ」も「アナゴ」も、たいして変わらないですよねぇ。
むしろ、「うなぎ」の方が油が乗っていておいしいですよねぇ~。

彼女と回転寿司を食べに行った時のお話。
回転寿司でうなぎの握りが回っていたんですよ。
私は思わず
「君、アナゴ食うか?取ってやるよ。」
彼女はアナゴが大好きだったので、喜んでOK。
しかし、回って来たのは「うなぎ」なんです。
知らずに食べて、笑顔のひまわりさん。
「おいしいね~!」

その後の私の言葉。
「お前、もううなぎは食べられるな。今食ったのうなぎだし。」
怒り狂うひまわりさん。
「もう、あんたの事は絶対に信用しない!」
凄く怒られてしまいました・・・
だって、おいしいって食べてたのにぃ~

それ以来、私が勧めるものは疑って食べるようになりました。
「だって、もう騙されたく無いもん!」
ごめんね~ひまわり・・・