泣いているのはひまわり
地震、雷、火事、オヤジ・・・などと申しますが、オヤジ以外のものはしっかりと警戒していたようです。
先日、うちのばあちゃんがひまわりのクローゼットを整理していたときのお話。
なんと非常食が出てまいりました。
それも、パンの缶詰。
パン、好きでしたからねぇ、ひまわりさん。
その他、手回しで充電できる携帯電話充電機能付きラジオも聞けちゃう懐中電灯などもしっかりと買ってありました。
地震についてはかなりの警戒をしていたようですね。
まぁ、結局その大地震が来る前に、自分は遠くへ行っちゃいましたけどねぇ・・・。
そして彼女がなんと言っても一番恐れていたのは、地震に次いで第2位の雷でございます。
夏の時期、夕方に怪しい雲が現れると、非常に怖がっておりました。
家に居ても、ほんの小さな遠雷の音がしたと思ったら、私の所に飛んでまいります。
「雷が鳴ってる!怖いんですけどっ!」
私に言われても、私は雷様ではありません。
やがて雷が家の真上に来ると、もうしがみつく様に・・・。
でっへっへ、そんなにしがみつかなくてもねぇ・・・。
ある日の事。
私たち夫婦は、ひまわりの実家に向かっておりました。
場所は千葉街道。
市川橋を渡ったあたりで、もの凄い豪雨でした。
辺りは戸建住宅が多く、交差点には一軒のビルがありました。
私たちはその交差点の先頭で信号待ちをしていた、まさにその時でありました。
ビルの避雷針に、巨大な落雷があったのです。
一瞬だけ、辺りは真昼のように明るくなり、落雷の閃光は太さ1mはあったのではないかと思われるほどでした。
その音ときたら、雷のそれではありません。
まるで爆発音。
巨大な落雷を目の当たりにした、助手席に座るひまわりさん。
耳をふさいだ後、私の腕にしがみついたまま動こうとしません。
声をかけても、何も言えません。
しばらくしてようやく、彼女は声を出して泣き出しました。
「だって、だってさぁ・・・怖かったんだよぅ~」
やがて信号が変わり、何も無かったように車たちが動き出します。
泣いているのはひまわりだけ。
ひまわり、あの時は怖かったねぇ。
さすがにあの雷は、君だけじゃなく私だって怖かったよ。
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